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Friday, October 14, 2022

海外製の玩具銃、警察が回収「拳銃と同様機能」と判断…大手通販サイトで販売 - 読売新聞オンライン

narasilama.blogspot.com

 今年、インターネットで玩具銃として販売された海外製品を警察が回収していることがわかった。外見は子ども向けのおもちゃ風だが、警察庁は「真正拳銃と同様の機能を有する」と判断し、回収対象の購入者は約360人に上る。近年、ネット通販の浸透を背景に、日本の銃刀法や自主規制に沿わない海外製玩具銃が流入しており、専門家は「国内を念頭にした規制だけでは限界がある」と指摘している。

 回収しているのは中国製とみられる回転式拳銃型で、少なくとも2機種。「スカイマーシャル」などの商品名で、大手通販サイトを通じて5000円前後で販売された。

 警察庁によると、警視庁が6月、サイバーパトロールで把握した。通販サイトの運営会社の協力で約360人が購入したことを確認。警察庁は8月末以降、購入者のいる都道府県の警察に回収を要請した。

 回収の理由について、警察庁は取材に「警視庁の科学捜査研究所が鑑定した」「発射実験により、真正拳銃と同様の機能を確認した」と説明するが、詳細は明かしていない。ある県警の担当課には、警察庁から「改良すると殺傷能力を有するため」と連絡があったといい、購入者には「銃刀法に触れる恐れがある」などと伝えているという。

 発売当時の商品説明などによると、問題の製品は、薬きょうの中の小さなバネで弾を飛ばす構造だった。購入者がネットに投稿した動画からは、弾が数メートル飛ぶ程度の威力で、外見も一目で玩具と分かるものだ。

 しかし、撃鉄が薬きょうの底をたたく構造が実銃に酷似していた。さらに回転弾倉など主要部品の一部が金属でつくられ、実弾を発射できないように銃身を塞ぐといった悪用防止策も施されていなかったとみられる。警察庁は、発売から短期間で回収に踏み切ることで、危険な製品を放置しない姿勢を示したといえる。

 今回の事態について、通販サイトの運営会社は「本件については警察に協力し対応している」とコメントした。

 市場調査会社の矢野経済研究所によると、国内の玩具銃の市場規模は2021年度の予測で92億円。近年のサバイバルゲーム人気も追い風となって、コロナ禍でも堅調に推移している。

 一方で過去には、日本製玩具銃が銃刀法に触れるとして警察が回収し、メーカーの経営者を逮捕(後に不起訴)した事件もあった。

 銃刀法は、圧縮空気で弾を飛ばす「エアガン」は威力の上限を定め、構造が実銃に近い模型の「モデルガン」は強度の低い素材でつくり、銃身を塞ぐことなどを定める。過去に回収された国産品はそうした悪用防止策が不適切で、本物と同様の殺傷能力があると指摘された。

 そのため、日本の業界は銃刀法よりも厳しい自主規制を徹底。近年は、安全性の問題で国産品が回収される事態は起きていなかった。

 だが、今回は海外製品が問題になった。海外製品の中には威力が強く、頑丈な金属で作られるなど、銃刀法が禁じる「準空気銃」や「模造拳銃」に該当する恐れがある物も多い。それらがネットを通じて売買されるケースは後を絶たない。

 国内メーカーでつくる「日本遊戯銃協同組合」によると、海外の業者は日本の法令を熟知していない恐れがあり、日本に販売拠点を設けず、海外から直接発送するケースもあるという。同組合は今回の事態を受けて、信頼できる店舗で安全性が認証された製品を選ぶよう、ホームページなどで呼びかけている。

 ネットオークションで危険な製品が取引されるのを防ぐため、製品に同組合などの認証マークがあるのを出品者が明示するよう、指針を改定する動きもある。

海外製含め審査制度を 銃刀法に詳しい立正大の小宮信夫教授(犯罪学)の話「玩具銃と真正銃の線引きを巡る問題は繰り返されてきた。膨大な商品を扱うネット通販業者に合法性のチェックを求めるのも難しく、海外製品を含めて第三者機関が審査するなど、新しい制度づくりが必要だ」

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