子供はシビアだ。気に入らないおもちゃには、残酷にも瞬時にそっぽを向く。外食業界の雄であるマクドナルドはおもちゃ付きの「ハッピーセット」を販売しているが、厳しい目を持つ子供たちにどうアプローチしているのか。気になる俗説についても、疑問を担当者にぶつけて真偽を確かめた。
日本マクドナルドホールディングスが好調だ。直近の2022年12月期の連結決算では全店売上高が7000億円を超えて過去最高を記録した。その原動力が強い商品力にあるのは間違いない。本稿では“陰”のロングセラー、おもちゃ付きの子供向けセットメニュー「ハッピーセット」にスポットライトを当てる。
1987年に「お子さまセット」として登場し、95年から現在の名前で販売しているハッピーセットはバーガーとサイドメニュー、ドリンクからなる。価格は税込み490円からで買い求めやすい(一部店舗やデリバリーでは価格が異なる)。メインのバーガー枠には「チキンマックナゲット」や「プチパンケーキ」も並び、いかにも子供向けという印象だ。
ただ、それを上回る特徴がオリジナルのおもちゃだ。人気IP(知的財産)とコラボしたフィギュアやミニカーをはじめとして種類は様々で、内容は一定期間ごとに切り替わる。国内で展開するおもちゃを開発するのは、日本マクドナルド自身だ。最近では2023年7月に販売した「マックアドベンチャー なりきりマクドナルド」が子供たちに好評だった。※「ケチャップがおせる!ハンバーガーキット」「スキャンでしはらい!レジスター」など、マクドナルドの店舗で使われているアイテムをモチーフにした6種類で展開。子供がクルー(店舗スタッフ)になりきって遊べる点が受けた。
※本記事で登場するハッピーセットのおもちゃは、最新のものを除いて終了している
子供の心をわしづかみにするハッピーセットの人気ぶりは、数字を見れば明らかだ。現在、年間販売数は1億食を超える。例えば最近の同社の大ヒット商品「サムライマック」は、レギュラーメニュー化してからの約2年をかけて累計販売が1億5000万食を突破。ハッピーセットの売れ行きがモンスター級であることがよく分かる。
「おもちゃを付ければ、それくらいは売れるだろう」。もしもそう考えているのなら、子供のことを侮っている。気に入ったおもちゃは大事そうに握りしめて店を後にするが、気に入らないと親に持たせる。そんなケースがあるほど、子供はシビアだ。彼らにはまらないおもちゃはすぐにそっぽを向かれ、それが1回、2回と続けば店から遠のく確率は高まる。
だから、ハッピーセットの開発にマクドナルドがかけるエネルギーは尋常ではない。
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