カリフォルニア州の新法は、おもちゃ売り場からジェンダーを取り除くことを目指している
By Allison Prang
2021 年 10 月 26 日 15:09 JST 更新


おもちゃ業界では、一部のメーカーや保護者らが長年課題としてきた「ジェンダーバイアス」(性別に関する偏見)をなくすための新たな取り組みが進んでいる。
「男の子は青が好きでトラックで遊び、女の子はピンクが好きで人形で遊ぶ」という固定観念を打破しようとする動きが、おもちゃ業界では長年あった。現在、ジェンダーに基づいたおもちゃのマーケティングを排除するため、新州法の制定などの取り組みが行われており、この問題に一段と注目が集まっている。
カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は今月初め、従来なら特定の性別向けに販売されていた子ども向け商品やおもちゃであっても、性別を分けずに販売する売り場を設けることを小売店に義務付ける法案に署名した。この法律は、従業員数500人以上のカリフォルニア州の小売業者に適用され、2024年から施行される。
玩具大手レゴグループは今月、「ジーナ・デイビス メディアにおけるジェンダー研究所」による調査結果を公表した。これによると、一部のアクティビティーは特定の性別のみを対象としていると考える傾向は、女の子よりも男の子のほうが強いことが分かった。レゴは、この研究所や国連児童基金(ユニセフ)と協力し、同社のマーケティングやおもちゃからジェンダーバイアスや有害な固定観念を確実に排除する方針を明らかにした。
また、セーラム州立大学(マサチューセッツ州)でメディア・コミュニケーション学を専門とするレベッカ・ヘインズ教授は、一部小売店でも、性別に基づいたおもちゃの分類をやめていることを指摘している。業界団体の米玩具協会は2017年、性別ごとのベストトイ賞の授与を中止した。
ヘインズ教授は「データをまとめてみると、おもちゃ業界においてジェンダーマーケティングに対する考え方の変化が広がっていることを示す個々のデータが多数存在する」と語る。
保護者の中には、カリフォルニア州の新しい法律や、おもちゃを性別にかかわらずよりインクルーシブ(排除しない)にする取り組みに賛成する人もいる。弁護士であり、9歳と6歳の女の子の母親でもあるアレクシス・ソテラキスさん(43歳)は、制約を受けずに遊べる機会を子どもたちに与えることは素晴らしいと考えている。
ソテラキスさんは「私の子どもたち世代には、私の世代よりも、ジェンダーに関して微妙な意味合いがある」と指摘。「意図的か否かにかかわらず、ものを性別で分けることで排他的なメッセージを送ることになる」と話す。
近年ではさまざまな玩具メーカーで、よりインクルーシブな方向を目指す取り組みが行われている。
玩具メーカーのハズブロは2月、「Mr.ポテトヘッド(ミスター・ポテトヘッド)」ブランドから「ミスター」の呼称を削除し、子どもたちがあらゆるタイプの家族をつくれるようなプラスチック製のポテトやアクセサリーをそろえた箱入りセットを発表した。
「ミスター」を外す一方で、ハズブロは「Mr.ポテトヘッド」と「Mrs.ポテトヘッド(ミセス・ポテトヘッド)」の両方を販売し続けている。このブランド名変更になお異議を唱える人たちもいる。アリゾナ州選出のデビー・レスコ下院議員(共和党)は「またキャンセルカルチャー(問題視される事柄に対するバッシング)だ!」とツイッターに投稿した。
マテルは2年前、さまざまなスタイリングや髪型が選べる人形を発売した。同社は、子どもたちがジェンダー規範によっておもちゃを決められることを望んでいないと聞いたからだとしている。小売りチェーン大手ターゲットは2015年、客からの意見を受け、店内のおもちゃ売り場の列などにあるジェンダー別の表示などを取り除く取り組みを行うと発表した。
カリフォルニア州議会のエバン・ロー議員は、成立が決まったジェンダーニュートラル(性的に中立)な売り場設置を設ける法案の起草者だ。この法案について議論しているとき、スタッフの娘から「恐竜や周期表を探すのになぜ男の子用のコーナーに行かなければならないのか」という質問を受けた。ロー氏は、この問題の調査の中で、カリフォルニア州が企業の後を追っていると気付いたのだという。
「企業がこの方向に進んでいることが分かった」とロー氏は語った。
この新法は反発も招いている。テキサス州のグレッグ・アボット知事は、暗に州政府の過剰介入だと言わんばかりに、この法律への反感を示した。同知事はツイッターで「テキサス州では、商品の陳列方法を決めるのは企業であり、政府ではない」と述べている。
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