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Saturday, December 28, 2019

思い出よ再び...おもちゃ治療 郡山おもちゃの病院『医師』奮闘 - 福島民友

 もう動かないと諦めていたおもちゃが、大切な思い出とともに息を吹き返す―。郡山市のボランティア団体「郡山おもちゃの病院」では、約20人の「おもちゃドクター」が、壊れたおもちゃと思い出を新しい年へとつなぐべく、修理に奮闘している。医師団をまとめる次田喜正会長(44)は「一つ一つが物語を持つ特別な存在。モノではなく、思い出を直している」と話す。

 定年退職後の60~70代を中心に、最年長は84歳というベテラン医師団。多くは長年企業の技術者などとして勤めた人たちだ。研修を受けておもちゃに丁寧に向き合う心構えを学んでいる。2011(平成23)年の発足から、これまで「治療」したおもちゃは6千個近くに上る。徐々に知名度が向上、リピーターも増えて「医師不足」というほどの人気ぶりだ。

 郡山市や本宮市などで月に2、3回開院、部品代を除き、基本無料で治療する。持ち込まれるおもちゃは、昔懐かしい昭和のブリキのロボットから最新のドローンまで、多種多様だ。

 年内最後の活動は22日に福島空港で行われ、約30個のおもちゃが持ち込まれた。治療は細かい問診から始まり、部品を一つ一つ点検して原因を特定、部品の交換などを施す。マニュアルのない治療に試行錯誤しながらも、ドクターたちは和気あいあいとした雰囲気の中で作業を楽しんでいた。

 直ったおもちゃを受け取りに訪れた子どもたちの顔には、笑みがあふれる。玉川村の小針悠聖ちゃん(4)は、復活したミニカーを壁や床で走らせ「いい感じ!」とご満悦。西郷村から参加したドクターの荒井昇さん(73)は「意地でも直してあげたいと思っている。喜ぶ顔を見るのが生きがいだ」と目を細めた。

 郡山市の菅野麻未さん(安積一小3年)が持ち込んだのは、祖母の佐藤まちよさん(70)からもらった古い木製のオルゴール。約60年前に佐藤さんが父に買ってもらった大切なもので、音やテンポがずれてしまっていた。数時間後に完治の連絡を受けた菅野さんは「直ると思わなかったのですごくうれしい。ずっと大切にしたい」と声を弾ませた。知らせを受けた佐藤さんも「優しくハンサムな自慢の父を思い出した。懐かしい音色をもう一度聴けるのが楽しみ」と感慨深げだった。
 おもちゃも思い出も、壊れたまま放っておけばいつか失われてしまう。おもちゃドクターの使命は「治療」を通しそれらを次の時代へとつなぐことだ。新しい物が次々と生まれ、あふれる世の中。次田会長は「『壊れたら捨てる』ではなく、物を大切に長く使うことの喜びを知ってほしい」と願う。

 次回開院は1月10日

 次回は来年1月10日に郡山市のトイザらス郡山店で開院する。時間は午前10時~午後4時(おもちゃの受け付けは正午まで)。

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December 29, 2019 at 07:51AM
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