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Tuesday, September 27, 2022

無声映画の歴史、楽しんで 京都「おもちゃ映画ミュージアム」 - 毎日新聞 - 毎日新聞

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紙フィルムを使った映写機「レフシー映写機」=京都市中京区で2022年8月15日午後4時15分、益川量平撮影
紙フィルムを使った映写機「レフシー映写機」=京都市中京区で2022年8月15日午後4時15分、益川量平撮影

 無声映画の保存や上映をする「おもちゃ映画ミュージアム」(京都市中京区)。館内には、戦前に流通した手回し映写機やフィルムがずらりと展示されている。歴史の息吹を感じようと足を延ばしてみた。【益川量平】

 元大阪芸術大教授で、館長の太田米男さん(73)が戦前の映画を保存し、映画文化を継承するサロンのような場所を求めて2015年にオープンした。以来、無声映画の上映会や映画を専門とする大学講師らによる講演会などを開いている。映画研究者らでつくる「一般社団法人京都映画芸術文化研究所」が運営している。

「おもちゃ映画ミュージアム」の前で説明する館長の太田米男さん=京都市中京区で2022年8月15日午後4時40分、益川量平撮影
「おもちゃ映画ミュージアム」の前で説明する館長の太田米男さん=京都市中京区で2022年8月15日午後4時40分、益川量平撮影

 阪急大宮駅東改札口から7分ほど歩くと古民家のような建物が見えてきた。京友禅の工場として使われていた京町屋を改装したという。可愛らしい手回し映写機の絵があしらわれたのれんをくぐると、海外の映画監督などのサイン色紙がずらり。太田さんは「アニメーターなど、映画に携わる人が来てくれることもあります」と話す。

 少し中に入ると、戦前に家庭での鑑賞用に売り出された「玩具映画」と呼ばれるフィルムを手回し映写機で見せてもらえる。実際に手で映写機を回すと、サムライたちがチャンバラをしている映像を楽しめた。

 棚には、ガラスに描かれた画像を投影する幻灯機(スライド映写機の原形)▽国内外の手回し映写機――など、多種多様の映画映像機器がずらりと並ぶ。映写機だけで計約200点あるという。ほかにも、表面と裏面に描かれた絵を回転させると両面の絵が重なって一つの絵になって見えるソーマトロープも楽しめた。

表面と裏面に描かれた絵を回転させると両面の絵が重なって一つの絵になって見えるソーマトロープ=京都市中京区で2022年8月15日午後4時1分、益川量平撮影
表面と裏面に描かれた絵を回転させると両面の絵が重なって一つの絵になって見えるソーマトロープ=京都市中京区で2022年8月15日午後4時1分、益川量平撮影

 なかでも目を引いたのは紙フィルムを使った映写機「レフシー映写機」だ。太田さんは「戦争直前はフィルムの値段が高く、紙で作られたフィルムが売られたと聞く。お客さんから『珍しい』と言われ、好評です」と説明してくれた。

 子どもの頃から映画が好きだった太田さん。館内に並ぶお宝は、1990年代から骨董(こっとう)市やコレクターなどから収集したものや、寄贈されたものだ。京都府内外から多くの人が訪れており、新型コロナウイルス流行前は海外からも来訪者がいたという。太田さんは「無声映画のフィルムは保存されずに捨てられていくものが多くある。昔の歴史や文化を後世に伝えていくためにも保管していくことが重要だと思っている。子どもから専門家までがここに集まって楽しんでもらえるとうれしい」と話している。

おもちゃ映画ミュージアム

おもちゃ映画ミュージアム
おもちゃ映画ミュージアム

 京都市中京区壬生馬場町。大人・高校生は500円、中学生300円、小学生以下無料。午前10時半~午後5時。月・火曜日は休館。問い合わせは、おもちゃ映画ミュージアム(075・803・0033)。

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